同棲の生活費、折半と収入比を手取り30万・20万で計算して比べた
「同棲するなら生活費は折半で」と思っていても、手取りに差があると、片方だけ月末がきつくなります。かといって収入比で分けるとなると、計算が面倒そうで、手取りが変わるたびに話し合い直しになりそうです。
この記事では、手取り30万円と20万円のふたりが共通費18万円を分ける設定で、完全折半・手取りの比・払ったあとの残りを同額にする方式の3通りを計算して並べました。共通費が12万円・24万円に変わったときと、手取りが変わったときに、負担がどう動くかも確かめています。検索上位の記事は、折半が多数派であることと収入比の考え方を紹介するものが中心で、金額が変わったときの負担の動きを同じ条件で並べた記事は見つけられなかったので、自分で計算しました。
1. 先に結論:折半は決めやすく、収入比は重さがそろう
折半は決めるのが簡単で、手取りの比は「手取りに対する負担の重さ」がそろいます。どちらが続くかは、手取りの差と共通費の大きさで変わると、計算して分かりました。
3方式の考え方と、向く場面・弱い点(※筆者の整理)
- ① 完全折半
決め方:共通費を半分ずつ出す
向く場面:手取りの差が小さい、簡単にしたい
弱い点:手取りが低い人だけ負担が重い - ② 手取りの比
決め方:手取りの比で共通費を分ける
向く場面:手取りに差があり、負担の重さをそろえたい
弱い点:手取りが変わるたびに計算し直す - ③ 残りを同額
決め方:払ったあとの手元の額が同じになるよう分ける
向く場面:一時的に差が大きい時期
弱い点:差が大きいと低い人が0円で止まる(6章で計算)
2. 調査で分かっていること、分からないこと
同棲カップルの分担は、完全折半が53.0%で最多、収入比率が36.0%です。家計管理アプリ「ワンバンク」を運営するスマートバンクが、同棲経験のある22〜39歳の男女552人に聞いた調査(2026年4月30日〜5月2日にインターネットで実施、2026年5月20日公表)の結果です。
| 項目 | 完全折半 | 収入比率 |
|---|---|---|
| 分担方法の割合 | 53.0% | 36.0% |
| 関係満足度 | 72.7% | 57.9% |
| お金のことで揉めたことがない | 30.4% | 9.1% |
| 価値観が一致している | 81.7% | 67.0% |
数字だけを見ると折半のほうが良さそうですが、読むときに2つ注意が要ります。1つ目は、公表されている数字の中に、収入差の大きさ別のものが見当たらないことです(僕が確認できた範囲で、2026年10月25日時点)。2つ目は、折半を選ぶのは、もともと手取りや価値観が近いふたりが多いかもしれないことです。これは僕の推測で、調査が示した結論ではありません。
調査がいちばんはっきり示したのは、決め方でした。ルールを話し合って決めたカップルの関係満足度は75.7%、なんとなく決まったカップルは40.0%です。方式を選ぶ前に、ふたりで話し合う場を持つことのほうが大きいと読めます。
3. 条件をそろえる:手取り30万・20万、共通費18万円
比べるには条件をそろえる必要があるので、手取りは30万円と20万円、共通費は18万円に置きました。共通費は、家賃・光熱費・食費・通信費など、ふたりで使うお金の合計です。手取りは、額面ではなく手取りで考えるのが基本だと、ファイナンシャルフィールドの記事も説明しています。
この金額は計算のための例で、相場ではありません。ふたり暮らしの共通費の金額そのものを示す統計は、2人世帯に絞った形では確認できませんでした(2026年10月25日時点)。以下では「負担率」=共通費の負担額÷自分の手取り、という意味で使います。
4. 3通りを計算する
3方式は、どれも割り算だけで出せます。手順を表にしました。
| 方式 | 計算 |
|---|---|
| ① 完全折半 | 18万円 ÷ 2 = 9万円ずつ |
| ② 手取りの比 | 30:20 = 3:2。18万円 × 3/5 = 10.8万円、18万円 × 2/5 = 7.2万円 |
| ③ 残りを同額 | 手取りの合計50万円 − 共通費18万円 = 32万円。÷2 = 16万円ずつ残す。30万円 − 16万円 = 14万円、20万円 − 16万円 = 4万円 |
3方式の結果(※筆者の計算。負担率は手取りに対する割合)
- ① 完全折半
手取り30万円の人:負担9万円(30%)、残り21万円
手取り20万円の人:負担9万円(45%)、残り11万円 - ② 手取りの比
手取り30万円の人:負担10.8万円(36%)、残り19.2万円
手取り20万円の人:負担7.2万円(36%)、残り12.8万円 - ③ 残りを同額
手取り30万円の人:負担14万円(46.7%)、残り16万円
手取り20万円の人:負担4万円(20%)、残り16万円
折半と手取りの比を比べると、手取り20万円の人の負担は月に1.8万円、年にすると21.6万円変わります。折半では20万円の人の負担率が45%、30万円の人が30%ですが、手取りの比にすると、ふたりとも36%でそろいます。
③の残りを同額にする方式は、手元に残る額がそろう代わりに、20万円の人の負担が4万円まで下がります。手取りの高い人に、家賃のほとんどを持たせる形になるので、現実には「ある時期だけ」の特例として使われることが多そうだと感じました。これも僕の印象で、調査で確かめたものではありません。
5. 共通費が12万・24万円になったら
折半は、共通費が大きくなるほど、手取りが低いほうの負担率が急に上がります。手取りは30万円と20万円のまま、共通費だけを12万円・18万円・24万円に変えて計算しました。
| 共通費 | 折半 | 手取り比 | 差 |
|---|---|---|---|
| 12万円 | 20%/30% | 24% | 10pt |
| 18万円 | 30%/45% | 36% | 15pt |
| 24万円 | 40%/60% | 48% | 20pt |
折半では、共通費が12万円なら負担率の差は10ポイントですが、24万円(家賃の高い部屋に引っ越した場合など)には20ポイントまで開きます。手取りの比にすれば、共通費がいくらになっても、ふたりの負担率は同じです。ただし、その率は共通費が増えるほど上がります。24万円なら、ふたりとも手取りの48%です。
6. 手取りの差が開いたら、手取りが変わったら
手取りの差が大きいほど、折半と手取りの比の差は広がります。共通費は18万円のまま、手取りが35万円と15万円のふたりと、30万円と20万円から片方が14万円に下がった場合を計算しました。
手取りが変わった場合の負担額(※筆者の計算。共通費18万円)
- 手取り35万円と15万円・① 完全折半
手取り35万円の人:負担9万円(25.7%)、残り26万円
手取り15万円の人:負担9万円(60%)、残り6万円 - 手取り35万円と15万円・② 手取りの比
手取り35万円の人:負担12.6万円(36%)、残り22.4万円
手取り15万円の人:負担5.4万円(36%)、残り9.6万円 - 手取り35万円と15万円・③ 残りを同額
手取り35万円の人:負担18万円(51.4%)、残り17万円
手取り15万円の人:負担0円、残り15万円 - 手取り30万円と14万円(※)・① 完全折半
手取り30万円の人:負担9万円(30%)、残り21万円
手取り14万円の人:負担9万円(64.3%)、残り5万円 - 手取り30万円と14万円(※)・② 手取りの比
手取り30万円の人:負担12.27万円(40.9%)、残り17.73万円
手取り14万円の人:負担5.73万円(40.9%)、残り8.27万円
(※)手取りが20万円から14万円に下がった場合(時短勤務や休職などを想定した例)。手取りの比の金額は、18万円×30/44、18万円×14/44です。
③の残りを同額にする方式は、35万円と15万円では、計算上は低い側が−1万円になります((18万円+15万円−35万円)÷2)。実際には負担を0円にして、高い側が18万円を全額持つことになり、残りは17万円と15万円で、同額になりません。差が大きいときは、この方式は使えません。
手取りの比のほうは、手取りが変わるたびに計算し直す必要があります。リベシティの記事は、転職・引っ越し・出産・病気などの際に見直す日を、先に決めておくことを勧めています。収入比にするなら、見直す日をセットで決めておくのが現実的だと、計算を見て思いました。
7. 折半でいい差の目安
折半でもよいのは、折半したときの負担率の差が小さいふたりです。共通費18万円で、手取りの組み合わせを変えて、折半したときの負担率の差を出しました。
| 手取り | 折半(高/低) | 差 |
|---|---|---|
| 25/25 | 36.0/36.0 | 0.0 |
| 25/23 | 36.0/39.1 | 3.1 |
| 28/22 | 32.1/40.9 | 8.8 |
| 30/20 | 30.0/45.0 | 15.0 |
| 35/15 | 25.7/60.0 | 34.3 |
手取りの比にすると、25/23だけが37.5%で、ほかの4つはすべて36.0%です(共通費18万円÷手取りの合計。※筆者の計算)。
この表から、僕は「差が5ポイント以内なら折半、10ポイントを超えたら手取りの比か項目分けを検討」という線を引いてみました。これは根拠のある基準ではなく、表を見て置いた筆者の目安です。折半はルールが単純で、揉めにくいという良さがあるので、差が小さいうちは単純なほうを選ぶ理由があると考えています。
項目ごとに担当を分ける方法(家賃はA、食費はBなど)もあります。精算の手間が少ない代わりに、担当する項目によって負担に差が出やすいと、リベシティの記事は整理しています。この記事では計算していません。
8. ふたりで決める順番
方式を選ぶ前に、何を共通費に入れるかと、見直す日を決めておきます。調査でも、話し合って決めたかどうかが満足度を大きく分けていました。
- 話し合う日を決める——なんとなく決めた場合は、関係満足度が40.0%まで下がっていました(表1の調査)
- 手取りを出し合う——額面ではなく手取りで比べる
- 共通費に入れるものを決める——家具・家電、友人を招いたときの食費、帰省費、ペットの費用など(リベシティの記事の例)
- 方式を選ぶ——表4の差が5ポイント以内なら折半、広いなら手取りの比
- 見直す日を決める——手取りが変わる転職・引っ越し・出産などが起きたとき、ルールを書き残しておく
手取りの比と、払ったあとの残りを同額にする方式の計算は、自作の計算ページ「同棲わりかん」でできます(ふたりの手取りと共通費を入れると、折半・手取りの比・残り同額が並んで出て、結果をLINEに貼れます。登録は不要です)。
まとめ
折半は単純で、収入比は負担の重さがそろう。手取り30万円と20万円・共通費18万円の例では、手取り20万円の人の負担率が折半で45%、手取りの比で36%でした。
- 折半——共通費が大きいほど、手取りの低い人の負担率が上がる(12万円で30%、24万円で60%)
- 手取りの比——負担率はふたりでそろうが、手取りが変わるたびに計算し直す
- 残りを同額——差が大きいと低い人が0円で止まり、同額にならない
次の1アクションは、ふたりの手取りと共通費を出し合って、折半したときの負担率の差を表4と同じ形で計算してみることです。差が5ポイント以内なら折半、10ポイントを超えるなら手取りの比を、話し合う材料にしてください。
出典
- スマートバンク「同棲カップルのお金の分担に関する実態調査」2026年5月20日公表・調査期間2026年4月30日〜5月2日・22〜39歳の同棲経験者552人(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000109.000080496.html /2026年10月25日に確認)
- ファイナンシャルフィールド「同棲時の“生活費”は『収入差に応じて割合を分ける』べき?」2026年7月25日配信(https://financial-field.com/household/entry-512584 /2026年10月25日に確認):上の調査の数値の確認
- ファイナンシャルフィールド「同棲の『生活費』ってどう折半すればいいですか?」2023年8月16日配信・2025年9月26日更新(https://financial-field.com/living/entry-226705 /2026年10月25日に確認):手取りで比べる考え方
- リベシティ ノウハウ図書館「同棲・結婚時の生活費の分け方」2026年8月29日投稿・同年10月1日更新(https://library.libecity.com/articles/01M15S3FEP0CAG43GMTK2AP7QN /2026年10月25日に確認):4つの分け方・共通費の範囲・見直す日
- 本文の金額・負担率はすべて筆者の計算。手取り・共通費は例であり、相場ではありません。手取りの比の金額は、必要に応じて100円単位に丸めてください
2026年10月27日公開
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