ホーム›読みもの›ドライブの割り勘

ドライブの割り勘、運転手の負担を4人・往復300kmで3通り計算した

2026年10月28日 / フジケン

4人・往復300km・合計11,250円を3通りで割った横棒グラフ。運転手も同額なら全員2,813円、運転手が半額なら運転手1,607円と同乗者3,214円、運転手が無料なら同乗者3,750円
図1:合計11,250円を、運転手の扱い別に割った1人あたりの金額(※筆者の計算。1円未満は四捨五入)

ドライブのあとで「ガソリン代と高速代、いくらずつ?」となったとき、運転手の分をどうするかで空気が止まったことはありませんか。全員同額にするか、運転してくれた人は無料にするか。決めないまま解散すると、あとで言い出しにくくなります。

この記事では、4人(運転手1人と同乗者3人)・往復300km・合計11,250円の例で、運転手も同額・半額・無料の3通りを計算して並べました(※人数・距離・金額は、計算のための仮定です)。人数が2〜5人に変わったときの上乗せ額と、国土交通省のガイドラインが「実費」として挙げている項目も確かめています。検索上位の記事は、割り勘が多数派であることと、考え方の紹介が中心です。運転手を無料にしたときの同乗者の負担が、人数でどう変わるかを計算で並べた記事は見つけられなかったので、自分で計算しました。

1. 先に結論:運転手の扱いは3通り、無料の上乗せは人数で縮む

運転手の扱いは「同額」「半額」「無料」の3通りで、運転手を無料にしたときの同乗者の上乗せは、人数が増えるほど小さくなります。4人なら、全員同額より1人あたり938円増えるだけです。

運転手の扱い3通りと、向く場面(※筆者の整理)

2. みんなどうしているか

アンケートでは、割り勘が52.2%で最多、運転手が全額負担が43.5%、同乗者が全額負担が4.3%でした(出典:くるまのニュース)。くるまのニュースがSNSで行った調査で、記事の公開は2022年10月11日です。対象はSNSの回答者で、日本全体を代表する調査ではありません。

同じ記事には、運転手の負担を別の形で補う例も出ていました。同乗者に食事代や、ETC代・駐車場代を持ってもらう、といった形です。また、費用専用の共有財布に参加者が同額を出し合い、余った分を人数で割って返す方法も紹介されています。

金額の例は、ファイナンシャルフィールドの試算(2025年3月3日配信・出典は末尾に記載)が参考になります。東名高速の東京〜沼津(片道約100km)の往復で、高速代が約5,060円、ガソリン代が約3,690円、合計約8,750円です。ガソリン代の前提は、レギュラー184.3円/L・燃費10km/Lでした。4人で等分すると約2,188円、運転手を除く3人で割ると約2,917円です。この記事の計算も、同じ考え方で出しています。

3. 何を割る対象にするか:国のガイドラインが挙げる「実費」

ガソリン代・高速料金・駐車場料金は、国土交通省が「実費」として挙げている項目です。国土交通省のガイドライン(「道路運送法における許可又は登録を要しない運送に関するガイドライン」)に、無償の送迎で受け取れる実費の範囲が書かれています。通達の番号は国自旅第359号で、令和6年3月1日付、令和8年6月5日に一部改正されています。

表1:ガイドラインが「実費」として挙げているもの(2026年10月25日に原文を確認)
項目扱い
ガソリン等の燃料代実費に含まれる。算出方法の例は「走行距離(km)÷燃費(km/L)×1Lあたりのガソリン価格(円/L)」
道路通行料実費に含まれる
駐車場料金実費に含まれる
レンタカー代運送を行うために発生したものは、実費に含まれる
保険料レンタカーの借り受けに伴う一時的な保険などは含まれる。車にもともと掛けている自賠責保険・任意保険は対象外
迎えに行く・送り届ける走行運送の前後の回送も、必要な燃料代として含まれる

誤解しやすいので書いておくと、このガイドラインは、お金をもらって人を運ぶ「有償運送」に許可や登録が要るかを整理した通達です。友人同士のドライブの割り勘に直接あてはまる規定ではありません(筆者の読み)。それでも、国が「実費」として何を並べているかは、何を割る対象にするかを決める目安になります。

一般の個人の車では、洗車・タイヤ・車検・税金・車の価値の減りは、実費の項目に挙がっていません。車検料などを含めてよいとされているのは、送迎専用に維持している施設の車のような特別な場合です。個別の事案は、国土交通省の地方運輸局などに確認してください。

なお、以前の平成30年の通達は、このガイドラインに一本化されて廃止されています。この記事は、現行のガイドラインの原文で確認しました。

4. 条件をそろえる:4人・往復300km・11,250円

比べるには条件をそろえる必要があるので、4人(運転手1人と同乗者3人)・往復300kmに固定しました(※計算のための仮定)。燃費は12km/L、ガソリンは1Lあたり170円と置きます。資源エネルギー庁の石油製品価格調査で、2026年8月3日時点のレギュラー全国平均は170.1円でした(carview!掲載の記事で確認)。

表2:費用の内訳(※筆者の計算)
項目計算金額
ガソリン代300km ÷ 12km/L = 25L。25L × 170円4,250円
高速代(往復)筆者の仮定(実際の料金ではありません)6,000円
駐車場代筆者の仮定1,000円
合計11,250円

高速代と駐車場代は、行き先で大きく変わるので、仮定の金額です。あなたのドライブで使うときは、NEXCOなどの料金検索の結果を入れ替えてください。

5. 3通りを計算する

3方式は、運転手の重みを1・0.5・0にして、合計を重みの合計で割れば出ます。手順を表にしました。

表3:3方式の計算手順(合計11,250円・4人。※筆者の計算)
方式重み計算
① 運転手も同額1重みの合計 = 1 + 3 = 4。11,250円 ÷ 4 = 2,812.5円
② 運転手は半額0.5重みの合計 = 0.5 + 3 = 3.5。同乗者 = 11,250円 ÷ 3.5 = 3,214円、運転手 = その半分の1,607円
③ 運転手は無料0重みの合計 = 0 + 3 = 3。11,250円 ÷ 3 = 3,750円
表4:3方式の結果(※筆者の計算。円。同乗者は1人あたり)
方式運転手同乗者
① 運転手も同額2,8132,813
② 運転手は半額1,6073,214
③ 運転手は無料03,750

100円単位に切り上げて集めると、次のようになります(※筆者の計算)。①は全員2,900円で、合計11,600円(350円余る)。②は運転手1,700円・同乗者3,300円で、合計11,600円(350円余る)。③は同乗者3,800円で、合計11,400円(150円余る)。

運転手の無料と同額を比べると、同乗者の負担は1人あたり937.5円(四捨五入で938円)変わります。半額なら、同乗者は同額より401円増え、運転手は1,206円減ります。100円単位に切り上げて集めると、350円や150円の余りが出ます。余りの扱い(返す・次回に回す・飲み物代にする)は、先に決めておくと揉めません。

6. 人数が変わったら

運転手を無料にしたときの同乗者の上乗せは、人数が増えるほど小さくなります。合計11,250円のまま、運転手1人で人数だけを2〜5人に変えて計算しました。

運転手を無料にしたときに同乗者が増える金額。2人で5,625円、3人で1,875円、4人で938円、5人で563円の横棒グラフ
図2:運転手を無料にすると、同乗者の負担は1人いくら増えるか(※筆者の計算)
表5:人数別の同乗者1人あたりの金額(※筆者の計算。合計11,250円・円)
人数全員同額運転手半額運転手無料無料の上乗せ
2人5,6257,50011,250+5,625
3人3,7504,5005,625+1,875
4人2,8133,2143,750+938
5人2,2502,5002,813+563

上乗せの額は、合計÷(人数×同乗者の数)で出せます(表の差が1円ずれるのは、四捨五入の前の値から出しているためです)。2人なら、運転手が無料だと同乗者が全額を持つことになるので、5,625円の上乗せです。4人以上になると、運転手を無料にしても、同乗者の負担は1,000円未満しか増えません。「運転手は無料にしたいけれど、同乗者に負担を強いるのは気が引ける」という場合は、人数が多いほど決めやすいと、計算して分かりました。

7. 距離と燃費が変わったら

ガソリン代は距離に比例し、燃費に反比例します。1Lあたり170円で、距離と燃費を変えて計算しました。

表6:往復距離と燃費別のガソリン代(※筆者の計算。170円/L・円)
往復距離燃費10km/L燃費12km/L燃費15km/L
150km2,5502,1251,700
300km5,1004,2503,400
500km8,5007,0835,667

1kmあたりに直すと、燃費10km/Lなら17.0円、12km/Lなら14.2円、15km/Lなら11.3円です。この記事では、ガイドラインにある「走行距離÷燃費×ガソリン価格」の式をそのまま使いました。ガイドラインは、送迎が頻繁にある場合は「1kmあたり○円」と決めて概算してもよい、と書いています。よく同じメンバーで出かけるなら、その方法のほうが毎回の計算が楽になります。

8. 出発前に決める順番

金額の話は出発前に済ませておくと、帰りに言い出しにくい思いをしなくて済みます。決める順番は、次の5つに整理できます。

  1. 割る対象を決める——ガソリン代・高速代・駐車場代(レンタカーなら借り賃も)。表1の実費の範囲が目安
  2. 運転手の扱いを決める——同額・半額・無料。迷ったら表5で、上乗せが小さい人数かを見る
  3. 運転手が複数なら、交代の分け方を決める——走行距離の割合で重みを付ける、など
  4. 丸める単位と、余りの扱いを決める——100円単位に切り上げて、余りは返すか次回に回す
  5. 金額が確定したら、全員にその場で送る——LINEに貼っておく

運転手の扱い別の計算と、距離・燃費からのガソリン代の算出は、自作の計算ページ「ドライブわりかん」でできます。距離・燃費・単価と高速代・駐車場代を入れると、同額・半額・無料の3通りが並んで出ます。結果はLINEに貼れて、登録は不要です。

まとめ

運転手の扱いは同額・半額・無料の3通りで、無料の上乗せは人数が増えるほど小さくなる。4人・往復300km・11,250円の例では、運転手が無料でも、同乗者の負担は全員同額より938円増えるだけでした。

次の1アクションは、次のドライブの距離・燃費・人数で、同額と無料の2通りを実際に計算してみることです。上乗せの額を見て、出発前に全員へ送ってください。

出典

2026年10月28日公開

← 読みもの一覧へ

公開: