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飲み会で飲まない人はいくら安くしていい?倍率0.7の根拠を計算

2026年10月29日 / フジケン

10人で会計45,200円のとき、飲む人8人と飲まない人2人の1人あたりの支払い額。全員同額は4,520円ずつ、飲まない人を千円引きは4,770円と3,520円、0.7倍は約4,809円と約3,366円、料理は割り勘で飲み物は各自は4,800円と3,400円の横棒グラフ
図1:同じ会計を4通りで割ったときの1人あたりの支払い額(※筆者の計算)

1. 先に結論:0.7倍は「飲む人が4杯飲んだ会」の倍率

飲まない人をどれだけ安くするかは、飲み物代の差で決められます。料理が同じ量なら、飲む人が4杯(1杯500円)、飲まない人が2杯(1杯300円)の会で、実費に合う倍率が約0.7でした。

4通りの考え方と、向く場面・弱い点(※筆者の整理)

2. 調査で分かっていること、分からないこと

飲まない人が、割り勘で「損」と感じることはあります。ただ、理想の分け方は飲む人と飲まない人で食い違っています。リクルートのホットペッパーグルメ外食総研が、20〜60代の男女1,035人に聞いた調査(2025年6月13〜15日にインターネットで実施)の結果です。

表1:理想の会計の分け方(ホットペッパーグルメ外食総研・2025年6月調査、20〜60代の1,035人)
分け方飲む人の回答飲まない人の回答
飲んだ人が多めに払う(ざっくり調整)45.7%26.0%
食事は割り勘、お酒代は飲んだ人が分担25.2%26.0%
飲む・飲まないに関係なく完全に割り勘23.1%33.3%

飲む人でいちばん多いのは「飲んだ人が多めに払う」(45.7%)で、飲まない人でいちばん多いのは「完全に割り勘」(33.3%)でした。飲まない人の中でも、完全割り勘を選ぶ人は3人に1人ほどです。残りの3分の2は、ほかの分け方を選んでいます。

飲む場で飲まないときの気持ちも聞かれていて、何らかのネガティブな感情があった人は42.3%でした。そのうち「注文金額が少ないことで、割り勘の場で損しているように感じる」は15.7%です。この15.7%の分母は、調査ページに書かれておらず、紹介する記事によって書き方が違います。僕は「1,035人への設問で15.7%が選んだ」と読んでいますが、分母が違う可能性があります(2026年10月25日時点)。

この調査には、いくら安くするかの金額は出てきません。研究員のコメントは「会計に唯一の正解はなく、話し合って皆が楽しめる方法を探すことが大切」という趣旨でした(Dimeの記事による)。そこで、金額は自分で計算して比べました。

3. 条件をそろえる:10人、料理28,000円、飲み物は500円と300円

比べるには条件をそろえる必要があるので、10人の会で、飲む人8人・飲まない人2人、会計は45,200円に置きました。内訳は次のとおりです。

価格の例は、ファイナンシャルフィールドの記事に載っていた居酒屋の一例(生ビール500円・サワー450円・ソフトドリンク300円)です。店によって違うので、相場ではなく計算のための値と思ってください。したがって、飲まない人が自分の分だけ払うと、料理2,800円とソフトドリンク600円で3,400円です。この3,400円を「実費」と呼びます。

4. 4通りで割る

4通りのうち、実費に近づくのは倍率0.7と各自精算でした。計算結果は次のとおりです(払い過ぎは、飲まない人の実費3,400円との差です)。

4通りの1人あたりの支払い額(10人・会計45,200円。飲む人8人・飲まない人2人。※筆者の計算)

全員同額(①)だと、飲まない人は実費より1,120円多く払います。千円引き(②)なら、払い過ぎは120円まで縮まります。倍率0.7(③)は34円安くなり、実費とほぼ同じです。100円単位に丸めると、飲む人が4,800円、飲まない人が3,400円で、会計とぴったり合います。

ここで注意したいのは、③が実費と合うのは、飲む人が4杯だったからです。杯数が変わると、合う倍率も変わります。次の章で確かめます。

5. 倍率0.7は、飲む人の何杯分か

飲む人の杯数が増えるほど、実費に合う倍率は下がります。飲まない人の実費(3,400円)を、飲む人の実費(料理2,800円+飲み物代)で割った値が、実費に合う倍率です。

飲む人の杯数ごとの、飲まない人に実費で合う倍率。1杯は1.03、2杯は0.89、3杯は0.79、4杯は0.71、5杯は0.64、6杯は0.59の横棒グラフで、4杯のとき0.7に近い
図2:飲む人の杯数と、実費に合う倍率(※筆者の計算。点線が0.7)
表2:飲む人の杯数ごとの、実費に合う倍率(※筆者の計算)
飲む人の杯数飲み物代(1人)実費に合う倍率①のときの飲まない人の払い過ぎ
1杯500円1.03−80円
2杯1,000円0.89+320円
3杯1,500円0.79+720円
4杯2,000円0.71+1,120円
5杯2,500円0.64+1,520円
6杯3,000円0.59+1,920円

4杯で0.71、3杯で0.79、5杯で0.64でした。倍率0.7は、飲む人が3〜5杯の会に近い値です。2杯なら0.89で、0.7にすると飲まない人が安くなり過ぎます。1杯だと、飲まない人の料理とソフトドリンクのほうが高くなり、倍率は1.03になります。

千円引き(②)は、①のときの払い過ぎの表で見ると、3杯(720円)と4杯(1,120円)の間にあたります。飲む人が3〜4杯の会なら、千円引きでもおおむね近い金額になります。

ここまでの計算は、料理を全員が同じだけ食べるとした場合です。ファイナンシャルフィールドの記事は、料理は飲まない人のほうが多く食べている場合もあると書いています。飲まない人がよく食べる会では、実費に合う倍率は0.7より大きくなります(筆者の推測で、この記事の計算には入れていません)。

6. この計算が当てはまらない会

コース料理に飲み放題が付いている会は、この計算がそのまま使えません。1人あたりの料金が店で決まっていて、飲まない人の飲み物代が会計に入っていないとは限らないからです。この記事は、単品を注文する会を前提にしています。

注文が多い会では、倍率を決めるより、伝票を見て④で各自精算するほうが早いこともあります。人数が少なければ④、人数が多く伝票を追えないなら②か③、という使い分けを僕は考えています。これは僕の整理で、調査が示したものではありません。

7. 幹事が決める順番

金額を決める前に、飲む人と飲まない人の数と、飲み物の見込みを出します。調査では、理想の分け方が人によって分かれていました。事前に伝えておくほうが、会計の場で揉めにくいと僕は考えます。

  1. 飲む人・飲まない人の数を数える——人数が少ない側が少数なら、差額は大きく動かない
  2. 飲む人の杯数の見込みを決める——表2のどの行に近いか見る
  3. 方式を選ぶ——杯数が3〜5杯なら倍率0.7か千円引き、注文が分かれていて伝票を追えるなら各自精算
  4. 会の案内に書く——「飲まない方は1,000円引き」など金額で書くと、会計のときに困らない

倍率を使う方式の計算は、自作の計算ページ「傾斜わりかん」でできます(役割ごとに人数と倍率を入れると1人あたりの金額が出て、結果をLINEに貼れます。「飲まない人」の倍率は0.7が初期値の例で、書き換えられます。登録は不要です)。

まとめ

飲まない人をいくら安くするかは、飲む人の杯数で決められます。10人・会計45,200円の例では、飲む人が4杯飲んだ会で、実費に合う倍率が約0.7でした。

次の1アクションは、次の飲み会で、飲む人の杯数の見込みを表2の行と見比べてみることです。杯数が3〜5杯なら倍率0.7か千円引きを、会の案内に金額で書いてください。

出典

2026年10月29日公開

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