ガソリン代の割り勘、カタログ燃費で計算すると足りない?実燃費を下げた早見表
ドライブのあとで、ガソリン代を「距離÷燃費×単価」で計算して割ったのに、実際に入れたら計算より多かった。そんな経験はありませんか。原因は、カタログの燃費で計算していることが多いです。
この記事では、往復300km・4人の例で、カタログ燃費のまま割った額と、実燃費が1〜4割下がった場合の額を並べました(※距離・人数・単価は、計算のための仮定です)。燃費を知らなくても精算できる、満タン法の手順も載せています。
1. 先に結論:カタログ燃費だと足りなくなりやすい
カタログ燃費のまま割ると、実際の給油額より少なくなりやすく、実燃費が2割低いだけで1人あたり213円の差が出ます。往復300km・カタログ燃費15km/L・170円/L・4人の例では、カタログどおりなら1人850円、実燃費が2割低いと1,063円、4割低いと1,417円でした。
- 国土交通省と経済産業省は2017年に、実燃費がカタログの燃費より最大で4割下回るとの指摘があると発表しています
- 見込み率を決めておくか、満タン法で実際の給油額を割れば、帰りに追加で集める手間を減らせます
- 満タン法なら、燃費を知らなくても精算できます
2. ほかの記事やツールは何を書いているか
僕が開いた範囲では、カタログ燃費と実燃費の差を、割り勘の金額に反映する方法はあまり書かれていませんでした。ファイナンシャルフィールドの記事(2025年12月8日配信)は、往復のガソリン代4,000円を4人で割って1人1,000円とする例を挙げ、燃費と単価の数値は書いていません。早見表もありませんでした。
計算ツールは、いくつかありました。bestcalendar.jpのツールは、距離・燃費・単価と高速代を入れると1人あたりが出ます。ページには、距離と燃費ごとの片道の早見表と、燃費の測り方の解説があります。tools.devcommaのツールは、運転者を除く割り方に対応し、燃費が10%低い場合の参考予算も表示します。
そこで僕は、燃費が1〜4割下がった場合の1人あたりを、1つの表にしました。ツールが計算してくれる部分を、読む前に見通せる形にしています。
3. カタログ燃費と実燃費はなぜずれるか
カタログの燃費は、決められた試験条件での値で、使う環境や運転の仕方によって実際の値は変わります。国土交通省と経済産業省の2017年7月4日の発表は、カタログ等に表示される燃費に比べ、実際の燃費が最大4割下回るとの指摘があると書いています。この差は、走行環境や運転方法の違いなどで生じるとしています。
発表は、全体のWLTCモード燃費に加えて、「市街地」「郊外」「高速道路」ごとの燃費をカタログ等に表示することを義務付けるものです。渋滞の多い道なら市街地、高速道路が中心なら高速道路の値が、実際の走り方に近くなります。
なお、「最大4割」は指摘であって、すべての車がそれだけ下がるわけではありません。何割を見込むかの決まった値もありません。この記事の表は、1割ずつ変えて計算したものです。
4. 条件をそろえる:往復300km・170円・4人
計算の条件は、往復300km、カタログ燃費15km/L、ガソリン170円/L、運転手を含む4人で割る、としました。式は、距離÷燃費×単価です。
170円は、全国平均の目安です。資源エネルギー庁の石油製品価格調査(2026年10月26日調査)で、レギュラーの全国平均は170.1円でした。前週は170.2円です。この数字は、Selectraのページ経由で確認しました。資源エネルギー庁のページは取得できませんでした。
実際の給油では、地域やスタンドで差が出ます。同じ調査で、都道府県別は宮城県が163.3円で最安、長崎県が178.7円で最高でした。
5. 燃費が下がると1人いくら増えるか
実燃費が2割下がると、ガソリン代の合計は850円増え、4人なら1人あたり213円増えます。表1は、カタログ燃費15km/Lから1割ずつ下げた結果です。
| カタログからの低下 | 実燃費(km/L) | ガソリン代 | 1人あたり | カタログどおりとの差(1人) |
|---|---|---|---|---|
| 0%(カタログどおり) | 15 | 3,400 | 850 | — |
| 1割 | 13.5 | 3,778 | 944 | +94 |
| 2割 | 12 | 4,250 | 1,063 | +213 |
| 3割 | 10.5 | 4,857 | 1,214 | +364 |
| 4割 | 9 | 5,667 | 1,417 | +567 |
4割下がった場合は、合計で2,267円、1人あたり567円の増加です。1人567円は、カタログどおりの850円の約1.7倍に当たります。事前に割った額で足りないと、帰りに追加で集めることになります。
6. カタログ燃費の違い別の早見表
燃費の良い車ほど、同じ割合で実燃費が下がっても、1人あたりの増え方は小さくなります。表2は、カタログ燃費が10・15・20・25km/Lの車を、4人で割った場合です。
| カタログ燃費 | カタログどおり | 実燃費が2割低い | 実燃費が4割低い |
|---|---|---|---|
| 10km/L | 1,275 | 1,594 | 2,125 |
| 15km/L | 850 | 1,063 | 1,417 |
| 20km/L | 638 | 797 | 1,063 |
| 25km/L | 510 | 638 | 850 |
たとえば、カタログ燃費10km/Lの車は、2割下がると1人あたり319円増えます。25km/Lの車は、128円の増加です。往復300km以外の距離は、ドライブの割り勘の記事の表6に、距離と燃費別のガソリン代の合計があります。
7. ガソリン単価が変わったら
単価が20円上がると、往復300kmのガソリン代は、実燃費15km/Lなら400円、9km/Lなら667円増えます。表3は、単価を150円・170円・190円にして、実燃費別の合計を出したものです。
| 単価 | 実燃費15km/L | 実燃費12km/L | 実燃費9km/L |
|---|---|---|---|
| 150円/L | 3,000 | 3,750 | 5,000 |
| 170円/L | 3,400 | 4,250 | 5,667 |
| 190円/L | 3,800 | 4,750 | 6,333 |
資源エネルギー庁の調査で、2004年6月以降の最高値は、2026年3月16日の190.8円でした(Selectra経由で確認)。190円の行は、そのときの水準に近い値です。単価は、出発前に給油するスタンドの看板で確かめるのがいちばん確実です。
8. いちばんずれない方法:満タン法
満タン法は、出発前と帰着後の満タン給油の金額を、そのままガソリン代として割る方法で、燃費の見込みを置く必要がありません。手順は次の3つです。
- 出発前に、自動で止まるまで満タンに給油する(走行距離計の数字をメモ)
- 帰ってきたら、同じスタンドの同じ給油機で、満タンまで給油する
- レシートの給油量と金額を確認し、金額を人数で割る
仮に、300km走って26.5L入り、単価が172円/Lだったとします。給油額は4,558円で、4人なら1人あたり1,139.5円です。走行距離÷給油量で、実燃費は約11.3km/Lと分かります。カタログ燃費が15km/Lの車なら、約25%低かったことになります。
| 出し方 | 必要なもの | ずれやすい点 |
|---|---|---|
| ① カタログ燃費で計算 | 距離・カタログ燃費・単価 | 実燃費がカタログより低いと、足りなくなる |
| ② 実燃費で計算 | 距離・自分の車の平均燃費・単価 | 燃費を測った条件と、今回の道が違うとずれる |
| ③ 満タン法 | 前後の満タン給油のレシート | 同じ給油機で満タンにしないと、給油量がずれる |
満タン法で出した給油額は、自作の計算ページ「ドライブわりかん」の「給油額を入れる」に入れると、運転手の扱い別の1人あたりが出ます。レンタカーの満タン返しの金額も、同じように入れられます。
9. 出発前に決める順番
出発前に、燃費の出し方を決めておくと、帰りに追加で集める手間がなくなります。決める順番は、次の4つです。
- 出し方を決める——カタログ燃費・実燃費・満タン法のどれか(表4)
- カタログ燃費で計算するなら、見込み率を決める——表1の1割・2割など
- 単価を決める——出発前に給油するスタンドの価格を確認する
- 人数と運転手の扱いを決める——運転手も割るか、同乗者だけで割るか
まとめ
カタログ燃費のまま割ると足りなくなりやすいので、見込み率を決めるか、満タン法で実際の給油額を割ります。往復300km・15km/L・170円/L・4人の例では、次のようになりました。
- カタログどおり——1人850円
- 実燃費が2割低い——1人1,063円(+213円)
- 実燃費が4割低い——1人1,417円(+567円)
次の1アクションは、次のドライブで、出発前に満タンまで給油して、レシートと走行距離計の数字をメモしておくことです。帰りに同じスタンドで満タンにすれば、実燃費も分かります。
出典
- 国土交通省「乗用車等の燃費表示に走行環境毎の燃費表示が加わります!」平成29年7月4日(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000186.html /2026年11月1日に確認):実際の燃費が最大4割下回るとの指摘、市街地・郊外・高速道路ごとの燃費表示の義務付け
- Selectra「ガソリン価格」(https://selectra.jp/energy/gasoline /2026年11月1日に確認):資源エネルギー庁「石油製品価格調査」2026年10月26日調査のレギュラー全国平均170.1円・都道府県別の最安最高・過去最高値190.8円(2026年3月16日)。資源エネルギー庁のページは取得できませんでした
- ファイナンシャルフィールド(FINANCIAL FIELD編集部)のガソリン代の分担を扱った記事、2025年12月8日配信(https://financial-field.com/living/entry-480614 /2026年11月1日に確認):往復4,000円を4人で割る例
- bestcalendar.jp「車の燃費・ガソリン代計算」(https://bestcalendar.jp/tools/kuruma-nenpi /2026年11月1日に確認):計算ツールと解説
- tools.devcomma「ガソリン代の計算」(https://tools.devcomma.com/ja/calculators/fuel-cost /2026年11月1日に確認):運転者を除く割り方と、燃費10%低下時の参考予算
- 本文の金額はすべて筆者の計算(1円未満は四捨五入)。距離・人数・単価・給油の例は仮定です
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2026年11月1日公開
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